こだわり物語 モノの価値を正しく伝える 
Presented by Arts-eihan

ちゃけちょけ

~履く人はもちろん、見る人をも楽しくさせる レディス シューズ~
神戸レザークロス株式会社

可愛い靴を見つけただけで、思わず気分が上がる女性は多いだろう。

かの「セックス・アンド・ザ・シティ」のヒロイン、キャリー・ブラッドショーが、
「シングルウーマンの道は楽じゃない。だから歩くのが楽しくなる特別な靴が必要なの!」
と名言を残したが、

まさしくその“楽しくなる特別な靴”という言葉が当てはまるのが、
今、靴好きな女性なら一度は目にしたことがあるだろうレディスシューズブランド

「ちゃけちょけ(Tyake Tyoke)」だ。

デザイナーは“履物”目指して一直線の女性!

猫脚ヒールの定番パンプスをはじめ、キャンディ香水瓶みたいな色とりどりのサンダル、
蝶やフラワーがふんだんにあしらわれたクラシカルなパンプスやブーティetc.……。
キュートな靴の数々に、思わず歓声を上げたくなる。

ブランド誕生から7年の「ちゃけちょけ」のデザインを手掛けるのは、倉田彩加さん。

倉田さんの入社と同時に立ち上がった部門が現在の「ちゃけちょけ」という驚きの秘話から、
人気ブランドが生まれた背景とその魅力を紐解いていきたい。

靴作りの第一歩

神戸レザークロス株式会社 東京支店

母体会社である神戸レザークロス株式会社は、靴の材料や部材の製造・卸売から出発。
その後、自社ブランドを開発し、小売りまでを手掛ける、創業67年の老舗の靴総合商社だ。
本社は神戸だが、浅草を拠点とする東京支店に「ちゃけちょけ」は属する。

「神戸の長田地区は“ケミカルシューズ”の産地、ここ東京・浅草は“革靴”の産地」(ちゃけちょけ デザイナー 倉田彩加さん)

東京支社は、木型、ヒール、底材、素材など部材の製造・卸売、他メーカーのOEM(他社製品の製造)を請け負ってきた。
隣には木型製作からデザイン、パターン、製靴までを学ぶことができる靴の専門学校が併設され、
倉田さんは靴づくりを目指して入学する。

誰も作り方を知らなかった

幼い頃から、洋服や帽子、鞄などを自分で作ってみていたという。
何となくいつの間にか作れた、着られた、身につけられた。
そんな中、靴だけは、誰に聞いても分からなかった、本で調べようとしても資料がなかった。
それでも何とか作ってみたいとトライしたのが、なんと「下駄」。
下駄でさえ難しく、完成したのは歩く事もできない代物だったという。
しかしこの時から、「いつか、自分で靴を作りたい」と激しい思いを抱くようになったという。

浅草の靴職人の技と、斬新なデザインの融合

倉田さんは在学中に“木型を作る部署”に、バイト採用される機会を得た。
木型は靴作りにおいて、その仕上がりを左右する要である。

支社ショールームには、形の違う木型がズラリと揃う。

美しく並ぶ木型や生地

けれども普通、木型を見ただけではどんな靴ができるのか想像できない。
そこでサンプル靴を作ることになったという。

その中の一つ、内側ボアのパーカーを着た、フード部分に脚を入れるデザインの靴を作った。

「面白い靴を作るね、ブランドやってみたら、と軽いノリではじまり(笑)、
靴を作る背景があるのだから、浅草の革を使い、資材部初のブランドを立ち上げよう、となったんです」

4月に正式入社、9月には「ちゃけちょけ」として展示会に出したというから、そのスピードには驚く。
それを支えたのは、各部材の確かな職人技だった。

「エスカレーターで前の人の靴を見て、ヒールに飾りがあったら面白そうだな、と。」

見ていて楽しくなるヒールデザイン

「後姿の可愛い靴、例えば猫脚の靴を作りたいと言ったら、分からないから作ってみてと言われ、
普通のヒールにパテをくっつけて見せたんです。
そうしたら面白い、よし、行こう、となりました」

今や定番となった“猫脚ヒール”を主軸に、倉田さんは展示会に向け、
ロココ調やアンティークなど、家具をモチーフにしたヒールの靴を次々に生み出していった。

部材から作れる会社であることが「ちゃけちょけ」の強み

「上部のデザインのみならず、木型やヒールでデザインを表現できたのは、社内で職人さんが作ってくれるから」

最初は『こんなのデキネェよ』と言われましたが、本当に靴が好きな職人ばかりなので、
何だかんだ楽しんでくださって、『どうだ、できたぞ』と(笑)」

実現された履きやすさと安定感

とはいえ斬新なデザイン、とりわけ凝ったヒール部分は壊れないのか、歩きやすいのかと、つい問いたくなるのも事実だ。

「ヒールの中心に鉄の芯を通して強度を取り、木型とヒールの同時設計で安定感も計っている。
木型も日本人の足に合わせて作っているので、
見た目は細く、実際に履くと余裕があり、履きやすいとよく言われます。表も裏も革で長持ちしますよ」

みんなが楽しくなれる靴

「ちゃけちょけ」の、ひらがなを元にデザインされているブランドロゴ

ユニークなブランド名も、倉田さんの造語。
関西で調子に乗ることを表す“ちょける”という言葉をもじり、“お茶目なお調子者”という意味で付けた。

また、レディースシューズである「ちゃけちょけ」を購入するのは、もちろん女性であるが、
倉田さんの視線は、その女性の周りの子供や男性にも向けられている。
「買って履く人が“可愛い!”と思うのは、当たり前」

「身に着けない方も“なにコレ、面白くて可愛い”と笑顔になって欲しい。
もちろん靴は履きつぶして捨てていく消耗品ですが、家族と言ったら大袈裟だけど、
せめてペットのように可愛がってもらえたら本当に嬉しいな」

その気持ちが届いているのは、リピーターが多いことが示している。
香水の瓶、テニススコート、ドクロ、トロフィー、金平糖にダイアモンド……。
様々な色や形のヒールが、収集欲をもそそる。
色やデザイン違いで30足以上も購入し続けている熱心な顧客がいるというのも、なるほど納得!

家族の物語としてのシリーズ展開

春夏・秋冬と年に2度のコレクションに、どんな商品で“らしさ”と“新しさ”を表すか。
どのブランドも頭を悩ませるだろう。
しかし倉田さんのユニークな感性は、それをやすやすと超えてしまったようだ。

「家族の物語としてシリーズを展開しています。
初めて展示会に出した例の“家具シリーズ”も、お祖父ちゃんの物語の一環です」

にわかには理解できない設定だが、聞けば納得、なるほどと膝を叩きたくなる。

例えばその“お祖父ちゃんと犬の物語”は、最愛のお祖母ちゃんを亡くしたという設定。
お祖父ちゃんの部屋の家具がヒールになったのをはじめ、
お祖母ちゃんが座っていたソファの裾編み棒が刺さった毛糸玉など、
一家の思い出や情景が切り取られ、そのまま靴になっている。

架空の家族の物語や人生を靴で語るとは、何というユニークさ。

普段はサラリーマンだが、実はロックスターになりたかった長男と恋人のラブラブ状態を表した、
折り返すと大きなハートが現れる革のブーティは、2011年レザーアワード婦人靴部門で大賞を獲得している。(*上部メイン画像の商品)

アニメ・コンテンツとのコラボレーション

デザインも高評価を得、認知度や人気も高まる「ちゃけちょけ」だが、
最近さらに後押しとなったのが、アニメ・コンテンツとのコラボレーション。
熱狂的なファンを持つアニメ作品をディープに靴で再現したことが、予想以上の反響を呼んだ。

「最初にコラボした靴が、受注生産だけで2000足くらい売れたのは驚きました。
今では常時複数タイトル抱えています」

多方面から人気を得た「ちゃけちょけ」は、現在、オンラインショップのほか、
銀座・三越や新宿伊勢丹など、百貨店でも購入できる。
普段遣いして欲しいという意思を反映し、優しい価格設定も嬉しい。

履く人も見る人も楽しませる「ちゃけちょけ」の靴は、これから益々私たちの足元を明るく輝かせてくれるだろう。

記事:折田 千鶴子

写真: 神戸レザークロス株式会社
http://www.kobe-leather.co.jp/

会社概要

神戸レザークロス株式会社

住所 〒111-0025
東京都台東区東浅草1-8-11
設立 1948年9月
資本金 50万円
URL http://www.kobe-leather.co.jp/
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